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2022年5月23日月曜日

お守りです。


エキストラへは一人で応募する方もいれば、二人で応募する方もいて、これまで体験がない「エキストラ」という分かるような分からないような役割。隣の他人は素性を知らないけど同じエキストラのように見えるし、何をさせられるのか?も分からず期待と不安が入り混じる。助監督からの説明では「エキストラも演者さんです!」と、冒頭からガツン!と言われて緊張感が込み上げて(どうしよう・・・)とドキドキする。

そして指示が出るまで待機、特にすることもない。なので緊張していそうなエキストラを見つけては「こんにちは、今日はよろしくお願いします。」「お一人で参加ですか?」と話しかけ、待ち時間が長ければ「トイレや飲み物は大丈夫ですか?」と声をかける。(こいつ、愛媛県の窓口と言ってたけど誰だ?)と怪しさ満点だけど、エキストラからは話しかけにくい雰囲気をこちらから変える。

「皆さんにとって“お守り”と思ってください。」とも添えていて、安心感を与えるのもフィルム・コミッションの役目。するとエキストラが終了後に「いい機会でした!」「貴重な経験でした!」など、今度はエキストラが感想などを返してくれる。非日常を楽しんでもらえたら。
そこへ制作側からの撮影プランの相談。そうでした!実はフィルム・コミッションは制作側からの“お守り”でもありました。というオチ。

2022年5月22日日曜日

日々をどれだけ楽しめるか。


5000回に到達するまで色々ありました。最初は「ココ大」を知ってもらいたくて、活動資金もない中でたどり着いたブログ。文章技術もなく今に至る。授業の紹介をしても閲覧数は伸びずネタがなくなり、その時の心情を好き放題に一気に書く(だから誤字脱字多い)エッセー形式になったら急に伸び始めて、ピークは1回の投稿で閲覧数が5.6万回まで膨れて反響にビビり、慌てて閲覧範囲を制限したり。

プライベートでは「私、博士になる!」と宣言した妻は、博士となり大学の教壇に立つ。長女さんは中学卒業後と同時にマレーシアの高校→ニュージーランドの高校を経て卒業。長男くんも高校2年で退学→シアトルの高校→画家になりたいとイタリアの学校へ進学。数々のエピソードを持つ末っ子くんもオーストラリアへ。私は過労で倒れて周りに大迷惑をかけた挙句に「死にますよ。」と、医者に言われたものの生還。

ココ大は0人の市民学生、市民先生から2200人の市民学生、350人の市民先生となる。コロナの影響で授業はしづらくなったけど、それも時代の流れ。一定の目標は達成したと思うし、学びあいを牽引してきた自負もある。始めた当時は40歳だったけど50歳になり、求められるニーズは授業の企画より、人材育成機会や企画立案のサポートが増える。
5000回も書くと文字を纏ったもう一人の自分がいるから不思議。

2022年5月21日土曜日

ひっくり返したい。


ジャパンFCの事務局長がカンヌ国際映画祭に到着。と、言ってもドレスをまとってレッドカーペットは歩かず、日本を売り込む商談会に参加。多くの人が「国際映画祭=スターが集まるお祭り」と思っていて、その通りだけど、あれは表面。裏面(と、言ったら怪しく聞こえるけど)は「商談会(作品や企画のマッチング)」が併設されていて、「国際映画祭(特にコンペが伴う場合)」は商談会が付随しているのが一般的。

フィルム・コミッションの場合、売り込むのは「魅力的なロケ地」と「撮影しやすい環境」の2つ。相談にくるPやDに地図を広げて具体的なイメージを渡したり、日本での撮影スキームを紹介したり。日本での撮影を望むPやDは多く、チャンス!だけど海外作品の場合、規模が大きい場合も多く準備に1年を要することもあって、その間に今回のコロナなど予期せぬ事態で流れて中止、延期になった作品多し(涙)

そんな作品が愛媛に来るのか?と言われたら可能性はあり。まだまだ日本での撮影=東京、大阪、京都が多いけど、「瀬戸内圏はミステリアス≒よく分からない魅力」と言われたことがあったり、訪れたい外国人の旅先に愛媛が紹介されたり、要は「知られていない」から好奇心がわくのかな。私の夢は2つ「海外からの大型作品」と「特撮系作品」の撮影。愛媛の“マジメ”なイメージをひっくり返したい!

2022年5月20日金曜日

手段は目的ではない。


「ヤングケアラーを支援したいです。」はアリ
だけど、冷静に考えるとヤングケアラーの負担を軽減させる制度や仕組み、最後はヤングケアラーという表現や括りをなくせた方がいいんじゃない?と思ったり。目の前のヤングケアラーの支援も必要だけど、同時にヤングケアラーが生まれてしまう現状を根本から改善しないと、いつまで経っても本質には辿り着けない。対処療法の方が根治療法より直ぐに効果が出るのは承知の上で。

「子ども食堂を増やしたいです。」も同じ。生活に困窮する家庭の子どもたちに食事という手段を用いるのは素晴らしいし、大人ができる支援の一つ。だけど、子ども食堂の増やメニューの充実は、存在意義から言ったら優先順位は下位じゃないのかな?緊急措置的なイメージを持っていたから間違っていたらゴメンなさい。あと、本当に困っている家庭には宅配の方がいいんじゃないかな?と思ったり。既に実行済だったら偉そうでゴメンなさい。

「ゴミ屋敷」も同じ。何も知らなかった時は「片付けのできない、ルーズな人」と思っていたけど、聞けば病だったり、当人にとっては本当に宝だったり・・・。だから「片づければ解決」という表面的で一面的な問題ではなく多面的に取り組む必要があって、そんな問題が発生する源を直視しないと永遠に改善しない。市民活動だけでは限界があるので、政治の世界に入った方にも“そこ”を見てほしい。

言わせて。


NETFLIX「深夜食堂(2014)」、シーズン2の第15話「缶詰」の舞台は「鑓水」。東京都八王子市にあり、古くから「絹の道」として知られていて、古いお堂などもあったことから、怪奇な噂もあり、文化祭の出し物に友人と心霊写真を撮りに行き、“何か”らしきモノが写った!写ってない!と大騒ぎした記憶が35年ぶりにフラッシュバック。ムー好きな少年少女には有名だったからリサーチしてたらスゴい。

悪人が殺しにくることを察した主人公が、着のみ着のまま家から逃げたのはOKだけど、証拠が入る肝心なPCは持ち出さず・・・。悪人が押し込み、家中探すがもぬけのカラの空振り。見つけたPCをガバッ!と開いてサクサク入力。オイオイ!普通はパスワード入力しないとPCにログインできないし、証拠が入るPCなら尚更でしょ!そして「銀行口座から逃走資金を引き出してるぞ!」と、何たるご都合主義!

公開延期になってた大作は、結局「世界を救う」という使命から「愛する人を救う」にすり替わってしまい、世界観が一気に収縮してしまい世界は泣いても私は泣かない!
客の一人一人にエピソードがある「深夜食堂」の方が泣ける(全エピソードを一気見してしまった)。似たようなエピソードはNY時代に一人で深夜営業をしていた「しゃぶ辰」にもあって、(本が書ける!)と、また思ったり。

2022年5月19日木曜日

顔も知らない仲だけど。


今、愛媛県内では2本の作品が撮影中なのは誰も知らない。どうしても話題性があり大規模の方が派手で分かりやすいから仕方がない。その一方で小規模だからできるコツコツとできる撮影もある。撮影の誘致支援に規模の大小や話題性など関係ありません。愛媛県の魅力発信に資する作品であればフィルム・コミッションは支援する、という話。2本の撮影を同時に支援するのは何年ぶりだろうか。

「カメラは三輪自転車に乗せます。」とか「メイクさんを紹介してください。」なんて小規模作品ならではの相談で、そんな手作り感が好き。キャストも経験の浅い方や一般の方も出演予定で面白い。そもそも映画作りは初めてとのこと、そしてスケジュールが合わなく担当者とはメール&電話のみでお互いに顔も知らない仲。でも、そんなコトは気にならず、作品完成への熱い想いを共有。

もちろん、大規模撮影も好き。前代未聞の道路封鎖をしたり、大雨を降らしたり、大勢のエキストラを集めたり・・・。撮影現場には多数いるにもかかわらず、本番はスッーーーと気配が消えて、全員が一点に吸い込まれる瞬間は何度経験しても鳥肌モノ。
「撮影って、それぞれのプロが集まるモノづくりの醍醐味」と、エキストラさんが言ってたけど、その通り。

賛否は承知。


通行止めの撮影は、昨日まで通れた道が今日は通れない。行き交う方などへ丁寧な説明が必要なのでフィルム・コミッションも協力します。夜間、迂回路の説明に立っていたら「あらっー!泉谷さん。ココで何してるの?あ!撮影だから!?」と知人。その後も「あれれ?」と、ほろ酔いで気分の友人が寄ってきたり。辺りは暗くマスクもしてるのに顔がわかるって良いのか悪いのか・・・。

他でもエキストラに参加された方が見つけて労ってくれたり、撮影現場でよく見かけた見学者が「今日も来ちゃいました。」と挨拶してくれたり。でも、実はこれらの人は名前も知らない方々。偶然の出会いなのだから驚く。
名前も知らないと言えば、エキストラに何度も参加してくださっている方もいて話しかけてくれたり、私から声をかけたり。コロナウイルスの影響で引け目を感じていた「話すこと」が晴れたような感じ。

その一方で「ふざけんな!何様だよ!」とか「邪魔だよ!どけ!」など、通行止めに不便さを感じてお叱りを受けることも。遠回りしないといけないので「ご不便をおかけします。お騒がせしています。」と、気持ちを汲み取って説明しても、撮影の都合だから・・・。
(色々な人や感情があるよな・・・)と、実はこの人間模様こそ「物語」で生々しいと思ったり。みんなちがってみんないい-by 金子みすゞ-

2022年5月18日水曜日

期待とは何か?


キレイな自分。
痩せた自分。背徳な光悦感。一時の満足感。着こなしている自分。カッコいい自分。居心地のいい部屋。知識が増えた自分。トレンドに乗り遅れていない自分。空腹感の払拭。雨濡れの回避。前回の追体験。大切な人からの言葉。褒められている自分。快適な作業など、我々は意識・無意識で「期待(=自分の欲求や願望を想像したイメージ)」をしている。だけど現実は・・・。

予想外のヘアスタイルにされた。ネットで買った洋服が想像より大きかった。海外から買った洋服が一回の洗濯で着れなくなった。コートを買ったが重くて長時間着れなかった。トイレの3点セットを買ったが、サイズが合わなかった。前回は美味しかったのに、他を試そうとしたらマズかった。お菓子の“新しい食感”を想像していたのに、同じだった。SNSで流行った化粧品を買ったが合わなかった。サイズも測って机を買ったら想像以上に大きかった。

「期待を下回った品はどうなるの?」と尋ねると、自分と折り合いをつけて【使用する(我慢する)>譲渡する(友人や家族へ)>売却する(メルカリ)>保管する(悩み時間)>廃棄する(2000円以下なら)】とのこと。期待を上回ったら「リピートする、周りに勧めるなど」。
「期待」について言語化したこともなかった学生たちは、自分の消費行動を振り返ることで賢い消費者になろうねと。

乗り越えなければならない壁。


フィルム・コミッションは撮影の実現に調整や交渉を行います。その過程で「遅かれ早かれ乗り越えなければならない“壁”」「いつか乗り越えたい憧れの“壁”」という撮影があります。その“壁”を乗り越えると自信に繋がったり、次の壁も乗り越えられるという話。

【夜間撮影】
夜間撮影は夜のシーンなら必須で比較的多く、経験が浅くても対応できます。しかし、昼間撮影より準備に時間がかかる他、場所によっては昼間にはいない酔っ払い対応など昼間の2倍の目配り、気配り、手配りが発生します。

【雨降らし】
雨降らしにはホース1本で雨を降らす小規模から専用機具を使った散水まで雨を降らす量と範囲でレベルが異なります。水は貯水タンクなどに入れて数トン用意する時もあり、濡れて滑りやすくなる周囲への配慮などが発生します。

【道路封鎖】
道路封鎖は実現への難易度が高い撮影で、警察など関係者らとの入念な打合せや用意周到な準備が求められます。愛媛県ではこれまでに3回の道路封鎖を行った実績があり、一時的に通れなくなる方々への理解と協力なくして撮影は実現しません。

【爆破炎上】
ヒーロー戦隊などで“お約束”の爆破炎上シーンは、非日常なシーンなので憧れます。しかし、そのようなシーンのある作品は少なく、まだ経験のない私には、誰に相談すればいいのか想像の域を出ません。写真は富山LOが撮影支援した爆破炎上シーン写真。

【コンボ撮影】
個人的に最も難易度が高いのが上記を組み合わせた撮影。ちなみに【夜間撮影+雨降らし+道路封鎖】というコンビネーション撮影は、おのずと大規模+長時間撮影=トラブル&ハプニングの発生確率高となり、撤収後の翌日まで緊張が続きます。

2022年5月17日火曜日

フィルム・コミッションあるある。


長年、フィルム・コミッションに携わると無意識に会得してしまうコトがあり、全国各地のFC仲間と、ふとした時に話すと「それ、あるある!」と、共感されて盛り上がることしばしば。

【1】居場所を見つけるのが上手。
撮影現場ではスタッフが縦横無尽に駆け回るほか、機材や配線などもありウロチョロしてはいけません。とはいえ、撮影現場から離れることもできず(どこかに映らない居場所≒死角はないか?)と撮影を見守れる場所を探すのが得意になりました。

【2】見切れる。
カメラに映らない死角で見守っているつもりでも、時にカットやアングルが変わったことに気づかず「泉谷さん!見切ってるーー!」とスタッフに注意されます(汗)。映らないようにするには「カメラの後方」に控えるのが基本ですが、忘れてしまうんです(涙)

【3】無用なテンションの高揚。
難易度の高い撮影を目の前で見ると、これまでの打ち合わせなどを思い出しテンションがあがったり、夜遅い撮影が続くと疲れているのにナチュラルハイになったり、無用にテンションがあがります。でも、その反動は翌日以降にドドッと襲いかかってきます(涙)

【4】生理現象がとまる。
これは私の場合。撮影現場に入ると「飲まず食わずOKスイッチ」がONになります。食事やトイレも気にならなくなります。たぶん、撮影の世界観に飲み込まれるからと思いますが、解けてしまうと、途端に食欲が出たりトイレに行きたくなったりするから不思議です。

2022年5月16日月曜日

水面は鏡。


「泉谷さんの研修を受けたコトがあります。」と、エキストラ出演の個人から唐突に言われて一瞬脳内がバグる。撮影支援中の意識は、フィルム・コミッショナーで「ココ大」ではないので不意な指摘に頭の中での切り替えに時間がかかるお年頃。聞けば研修は地域の課題改善を学ぶ機会だったようで「とても記憶に残る研修だった。」と、当時は言えなかった感想をいただき、涙腺がゆるむ。

別場所では「これがフィルム・コミッションなんですね・・・」と、新規採用職員が声をかけに寄ってきてくれた。本来なら対面式だった研修がコロナの影響でオンライン研修になり、直接お会いできなかったけど、エキストラ出演で実現する。エキストラに用意されていたお弁当を食べて「これが“ロケ弁”か!とも思いました」と、学長日記も読んでくれているようで、感謝しかなく涙腺がゆるむ。

本日の読売新聞に掲載。過去に撮影支援した「となり町戦争」についてインタビューを受ける。フィルム・コミッションについて知らなかった記者は、「FCは地域活性の手段であり、目的ではないこと。」「FCは地域の魅力を再発見・再評価できる。」などFCの可能性について熱心に引き出してくれ、内省したら涙腺がゆるんだ。私からは届かない第三者がFCについて知ってくれて今も涙腺ゆるみそう。水面は実績の鏡。

2022年5月15日日曜日

フィルム・コミッションの存在意義。


えひめフィルム・コミッションを預かりながら、所変わればジャパン・フィルムコミッションの立場もあるので「境目」が難しいのですが、フィルム・コミッションが地域に存在する意義は、各FCによって異なります。正確に言うと「優先順位が異なり」ます。全てのFCは総じて「地域の活性」を目的に撮影の誘致および支援をしていますが、「何をもって地域の活性に資するか?」が異なっています。

例えば、作品を通して「観光振興」を推進したいFCもあります。または「文化振興」を掲げるFCもあります。他には映像制作を地場産業にしている地域は「産業振興」です。「シティプロモーション」に重きを置いているFCもあります。手段は異なりますが、手段の先にある目的はどれも「地域の活性」につながります。FCを始めるに初期費用はほとんどかからない点、既存の資源を活用できる点が魅力的と思います。

しかし、これは海外FCと比べると大きく異なります。海外FCは「映画産業支援」で、地域におよぼす経済効果などを期待しています。また映画制作を手掛けるFCもあり、作品を輸出して経済効果に変換しているFCもあります。
2001年に釜山FCへヒアリングをした時、韓国では金融危機を乗り切るために掲げた国策の一つが「映画制作の振興」で、韓国映画を世界へ輸出し外貨を稼いだと聞いた時は本当にビックリしました。

2022年5月14日土曜日

インプットアウトプット。


「インプット(勉強)はしてます。でも・・・」「でも?」「アウトプットできてないです。」「アウトプットする機会がない、ということ?」で話がつまる。取り組みに必要な情報や経験などを全て入手した方が安心するのはわかる。または不完全では不備、不足などで失敗リスクがよぎり、踏み出せないのもわかる。でも、最大のリスクは「インプットは永遠に終わらない=始められない」コト!自分自身がアイデアキラーになっていること。

取り組みに必要なリソース(資源)には「ヒトモノカネ&ジョウホウ」があり、全部を揃えてから始めよう!と言う意識が最大のリスク。なぜか?それは思い立った時と全部揃った時ではタイミングやニーズが変わっているかもしれないし、既にウォンツが誕生しているかもしれない、いわゆる「時すでに遅し・・・」かもしれない。だから、始められる最低限のリソースで始めてもいいと助言。

インプットもアウトプットも「走りながらでもできる」。
アウトプットで気づくことも多いから小まめにインプット→アウトプット→内省インプット→改善アウトプットのサイクルを回したほうがいいと私は自分の経験から助言。くれぐれもインプットだけでアウトプットは想像で分かった気にならないでねと。最初は一人でできる範囲で始めれば、仮に失敗しても回収は一人でできるから大丈夫と!

2022年5月13日金曜日

エキストラは・・・。


エキストラ出演してくれた方から「今日は楽しかったです!」「ありがとうございました!」などのお礼を言われると、つい「いえいえ!こちらの方こそ、ありがとうございました!」と反応してしまいます。
わざわざ、自分の時間を割いて、現場へ赴き、撮影を待ち、指示通りに動く。出演しても必ずしも作品に映るとは限らないエキストラ出演(編集などの都合上でカットもあるため)。

時に衣装や小道具持参で参加してもらいます。暑い季節に寒い格好もあれば、逆に寒い季節に暑い格好の時もあります(余談ですが、寒い季節に暑い季節の場合、吐息が白くなるので“氷”を口に入れて口の中を冷やしたこともありました)。
小道具も状況に合わせて旅行客ならスーツケース、買い物客なら買い物袋に長ネギ姿、ビジネスマンならスーツに革靴と鞄など、七変化を要求されます。

こんな時も。「時代に合わせるので髪を切らせてもらいます。」「えっー!髪を切ってもOKなエキストラ募集ですか・・・」と驚いたのは「怪人二十面相・伝」。この時はロケ地となった愛媛県庁は即席の床屋になり次々と髪を切られていくエキストラ。
「坂の上の雲」では、子供を坊主にしなければならず、他の子にはできない・・・と、我が子兄弟を差し出し、昭和初期の子供(最終回に登場)に変身させたのでした。

感性を養う。


2021年の日本映画の興行収入ベスト3作品は全てアニメ作品(1位「シン・エヴァンゲリオン/102.8億円」、2位「名探偵コナン
緋色の弾丸/76.5億円」、3位「竜とそばかすの姫/66億円」)。そして、この3作品はアニメ作品ながら各地のフィルム・コミッションが支援した作品。エヴァ→宇部FC、コナン→名古屋LN、そばかすの姫→高知FC。2019年に予言した通り、アニメ作品にもFCは深く関わり始める。

先日の「大方あかつき館」での講演帰り、道中に「伊野駅」を見つける!伊野駅は「竜とそばかすの姫」で主人公たちの学校の最寄駅?という設定(地味だけどいいシーン)で、途中下車しよう!と下車。正直にいって変の変哲もない小さくてフツーの駅だったけど制服姿の学生がいたので雰囲気があった。特徴を見つけようとすれば、駅舎入口正面から改札まで直線で数歩という短さ&ヌケが魅力

だけど、多くの人は毎日見慣れているから、そんなコトを魅力と感じないし気づかない。だから「意識(≒想像)」してみることが大切で、その意識は養わないと備わらない。
聖地巡礼で気をつける点は地方の場合、次の電車やバスが1時間に1本程度ということ。本当は「鏡川(主人公の下校時に背景となった街中を流れる川)」も行きたかったけど時間の都合で行けず・・・。

2022年5月12日木曜日

オワコンじゃない?!


朝、目覚めて先ず電源を入れる家電が「テレビ」だったのはケータイやスマホ登場前だった。データもあったからZ世代はテレビと縁遠いと思い込んでいたことを猛省。実はニュースソースを入手元は「テレビ」が最も多くテレビも観てる。しかし、これは実家暮らしが多いからとわかる。そして自分ではニュースを見ないけど家族で見てるから情報が入るなど、Z世代だからと言ってテレビと特別に離れてない。

実はテレビと離れているのは単身世帯の社会人の方??と思ったり。偶然か「テレビ持ってません」という単身者を数人知っている。みなさん、引っ越しや多忙(見る時間がないなど)を機会にテレビを手放した。我が部屋にもテレビはなくPCやタブレットでYoutubeや配信作品で事足りてしまっている。私のニュースソースはもっぱら、ニュースサイトから。あぁ・・・Z世代と全然違う。

テレビはオワコンと誰かが言ってたけど、そんなことは感じさせず、コロナ禍で回帰したのかな?でも、テレビを見るとあっ!という間に時間が過ぎるのは確か。出張先でテレビをつけて気がつくと1時間が過ぎて。慌てて消して作業に戻ったり。思い込みはズレる原因だから分かって良かった。人のこと言えないけど新聞を全く見ない学生が多かったけど、これは活字離れでよいか?

2022年5月11日水曜日

エキストラと。


(せっかくの機会だから、エキストラの方々に近づこう!)と、寒い中、出番を待ち続けるエキストラの方々に「寒いですね、体調がすぐれなかったら教えてください。」「目に焼き付けてくださいね!」など声をかけて、その場の一体感を作りあげたのは「真夏の方程式」
一期一会のエキストラの方々も互いに気をかけて(撮影を成功させよう!)と、寒さを吹き飛ばして、良い思い出を持ち帰っていただいた記憶(写真はその時の高浜港)。

それ以降、エキストラが集まる場では積極的に声をかけて、待ちが多いエキストラの方々のテンションが下がらぬよう心がけてるつもり。「エキストラへの参加は初めてですか?」「エキストラに応募しようと思った理由は?」「どこでエキストラ情報を入手されたんですか?」など尋ねると、それぞれの心情を教えてくれるエキストラ。そして今度はエキストラからの質問に答える私、言えないことも多いことを分かってくれるエキストラ。

エキストラは最初に作品のファンになってくれる人たち。エキストラへの対応が作品への評価に繋がる可能性がある昨今。なおかつ地方での撮影は稀だから、いい思い出づくりにしてほしく、声をかけ続ける。「そんな人(=フィルム・コミッション)がいるなんて、知らなかった・・・」と驚かれるのは毎回のできごと。こうして、エキストラを通して撮影への理解を広めて20年。

2022年5月10日火曜日

エキストラ。


撮影で欠かせない「エキストラ」の思い出と言えば2005年放送の「がんばっていきまっしょい(ドラマ版)」で、初回から「エキストラがいません!」となり、フィルム・コミッションとして見守っていた私に「泉谷さん、ウチトラ=内輪エキストラでお願いします!」となり、通行人で出たり、「体育の先生がいません!」となると「泉谷さん、ウチトラで体育の先生役をお願いします!」と強制的出演となる。

クライマックスは一回の出演予定だった「体育の先生役」が急遽登場し、そのシーンでは鈴木杏さんが持久走の途中で倒れてしまい、私が介抱して錦戸さんが駆け寄ってきて杏さんを錦戸さんに委ねるという演出の入るシーン「無理無理無理!」と固辞したものの、押し切られて演技する。「いやぁ、ブルーリボン賞ですなぁ」とスタッフからイジられた経験あり、たしか1話から5話まで都合よく出た記憶が・・・。

フィルム・コミッションがエキストラ制度を持っているのは日本の独自サービス。一般的には民間会社が運用していて海外も同じ。登録人数が数千人のFCもある。ちなみに愛媛はナシ。これは「需要と供給のバランス」で、撮影が定期的にあれば必要だけど、そうでないと宝の持ち腐れとなる。そして「日中のサラリーマン役」は集めるのが大変なのは言うまでもない。撮影はエキストラに協力してくださる市民で成立している件。

堅実だった件。


自分の経験から勝手な思い込みをしていたのを猛省。「期待して買ったのに届いたら大失敗と思った品はある?」と尋ねると、多くが(あるある!)とうなづく。「ネットで化粧品を買ったけど肌に合わなかった」「ネットで洋服を買ったけど画面で見た色と違った」「ネットで靴を買ったけど自分のサイズだったのに合わなかった」など、多くがネットで購入。「なんでネットで買うの?」「自宅で商品を選び放題で2日ほどで届く便利さ」とのこと。

「でもさ、ネットで買うと失敗のリスクがあるのに、やっぱりネットで買うの?」「だからレビューです。」円グラフは【新商品や新サービスを入手したいとき、どのタイミングで入手することが多いか?】という問い。54.3%が購入者のレビューを見てから。22.9%が身の回りの人が買ってから。と77.2%がすぐに飛び付かず、吟味して入手していて、それは【実物を触らず試さず購入した失敗体験はありますか?】という問いに45.7%が「ない」という仮説になる。

失敗体験の少なさに、私は全員に失敗体験があると思っていたからビックリ!「私、全部アタリなんです。」と“持っている”学生も複数いて、リスクがあるからこそ慎重に見極めてから購入する堅実派と思ったり。勝手な思い込みを猛省。
ちなみに私の失敗談は会議用にリングライトを買ったらLEDなのに光量が予想以上に乏しかったこと。

2022年5月9日月曜日

10時間、450kmの旅。


篭っていたGWの最後は450kmの旅。松山から宇和島へ特急で1時間20分。宇和島駅に到着後、予土線への乗り換え時間は3分しかなく、その3分も「乗客がいなかったら出発」のような感じ。乗った電車はトロッコ車両が連結されていて(そうか!土曜日だからか!)と気づく。広見川に沿ってガタゴト揺られて愛媛県から高知県に入り、四万十川に合流して終点の窪川まで2時間20分の電車旅。

窪川駅で迎えの車に乗り40分「大方あかつき館」に到着。ホテルは「ネスト・ウエストガーデン」というグランピング施設もある太平洋を望む高台にあるホテルに泊まり、翌日は土佐入野駅から1時間30分かけて入野駅で下車。その理由は「竜とそばかすの姫」に登場する駅(主人公とクラスメートが偶然に出会うドキドキシーン)と、愛大でリーダーズスクールに出入りしていた頃の学生がドラゴン広場で特産品店の店長をしているとのことで顔を見に行く。

今度はバスに1時間揺られて高知駅へ到着。高知駅からは高速バスで松山駅まで3時間。地図で表すとグルッと周回した感じで、我ながら(バス旅のテレビ番組みたい・・・)と思う。
「車の免許、持ってないんですよ・・・」と高知でも言うと大ウケ(笑)。でも免許持ってないから皆さんにも協力していただき、こんな貴重な出張ができた。「また来てくださいよ!」と言われたけど10時間、450kmの旅に2回目はあるか!?