日記を検索

ラベル フィルムコミッション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル フィルムコミッション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年6月21日土曜日

強い画。


えひめフィルム・コミッション(事務局:愛媛県観光国際課)で、ロケハン体験。
と言うのも、これまでの2年半、組んできたSさんが産休に入るので、この機会に皆んなで体験しましょう!となる。

そもそも、ロケハンは何のために行うのか?など基礎・基本の紹介から。
それは撮影隊にとって「ココはシーン(≒世界観)に合ってる or 合ってない」の判断を促すため。

「テイスト(≒傾向、方向性、雰囲気)」とも言うけど、最近はこのテイストを3種類ほど提示して、ざっくりとした方向性を決めてから進める。
その後は、進んだテイストに対して「振り切ったテイスト」「標準的なテイスト」「変わり種テイスト」など、細分化させて深化させるのが私のやり方。

撮影隊が好むのは「強い画」で、映画業界の用語なのかな?
「いくつもの要素が詰まっている=強い画」で、例えば「ヌケがよく、高低差があり、自然現象がよく、演技できるスペースが複数あり、周りも演出できる余白があり、印象的な被写体もあり、パッ!とした第一印象がある場所。」
だけど、そんなに都合のいい所(ロケ候補地)は少ない。
闇雲にロケハンしてもうまくいかない・・・は、強い画ではないかもしれないから。

今回は実景のみで、いわゆるキャスト無しの風景画だったけど、普段から見慣れている愛媛の景色なのに、ロケハンというフィルターを通してみると「素敵ですね〜。いい景色ですね〜。」と再確認&再評価になる。

写真奥が私。両腕を上げて高めに撮っている。
オチはどこか?だけど、撮った写真を共有したら「泉谷さん、写真撮るの上手ですね!」と言われる(笑)
これでもフィルム・コミッションでして、キャリアは23年なんですけど・・・。

あの時が蘇る。


栗山富夫監督が6月18日に亡くなった。享年84歳。
えひめフィルム・コミッションの設立が2002年7月。同年に「ホーム・スイートホーム2〜日傘の来た道〜」という映画が愛媛県内で撮影されて、えひめフィルム・コミッションの映画撮影支援第一号となる。

とは言ってもフィルム・コミッションの現場経験は2回目(1回目は2時間のサスペンスドラマ)、右も左も分からない無知の31歳だった私は、プロデューサーの言う通りに動いていたら、周りから注意されて途中から外されてしまった!

でも、その注意は私を危うい状況から“助ける”手段だったと後で知り、コトなきを得る。
なので、デビュー戦の「ホーム・スイートホーム2〜日傘の来た道〜」は苦い思い出の作品。

2004年に亡くなった篠田昇撮影監督(享年52歳)は忘れらない。
「世界の中心で、愛をさけぶ」の撮影でお世話になり、名前が同じ「昇」というだけで、可愛がってくださり、ファインダーを覗かせてもらったり(ホント、今では絶対にできない!)

行定勲監督と篠田昇撮影監督に「ロケハンのイロハ」を教えてもらった(行定監督からは演出方法や監督の視線なども)ことは誇りであり宝。篠田さんの年齢を超えてしまった・・・。

2009年に亡くなった佐々木芳野プロデューサー(享年51歳)も忘れない。
アルタミラピクチャーズ所属で、愛媛県舞台の「がんばっていきまっしょい」「船を降りたら彼女の島」や「ウォーターボーイズ」「解夏」などの作品をプロデュースされた。

「がんばっていきまっしょい」の同窓会撮影で2日間ご一緒させていただき、(ものすごい配慮、段取力の方だ・・・)と驚いた思い出。
さらにお別れ会に参加した時、ご自身の死期を悟った後は、自身の死後の段取りまで整えていたとのこと。

色々な方とご一緒させていただいた・・・と思った暑い日。

2025年6月18日水曜日

フツーが難しい。


今回の撮影相談は「フツーの場所」。
資料を見ても特段に変わった点はなく、一見、資料化されてるから特別感はあるけど、どう見てもフツーな場所。
「このような雰囲気のある所を紹介すればいいのですよね?」と確認したほど。

でも、この「フツー」が最も難しいと言っても過言じゃない。
シーンにおけるフツーとは「日常」であり、ごくありふれたモノコトで、見つけやすい反面、どれも帯に短し襷(たすき)に長し・・・と言う感じ。

ヒントを手繰り寄せないと探しようがない・・・となり、「日中(撮影)ですか?夜間(撮影)ですか?」「規模はどんな感じですか?」「時代は今ですか?それとも昔ですか?」「こだわりはありますか?」など色々聞き出して自分の中でのイメージを描く。ロケハンの基本。

これまでの記憶から掘り返しても限界があり、過去の写真を見返しても、“それ(フツー)”を狙ったロケハンは「超芸術トマソン(赤瀬川原平らによって提唱された芸術概念。一見して「無用の長物」に見えるが芸術的な佇まい。)」でもないので、わざわざ撮影してなかった。

ネットで調べてはグーグルアース、グーグルマップで現地の様子を確認しての繰り返し。
すると、フツーと言っても「上品なフツー」「普通のフツー」「寂れたフツー」「珍しいフツー」など、フツーにも色々と雰囲気があるのに気づいた!

他の人にはどうでもいいコト/響かないコトだけど、候補地探しが面白くなって色々と探していたら夕方になってた!

厳選した3カ所(上品なフツー、寂れたフツー、珍しいフツー)を提示すると「寂れたフツー」を気に入っていただき、たぶん撮影されるのだろう。周辺情報も聞かれたし・・・。
どんな撮影相談が来ても預かるのがフィルム・コミッション。

でも、なんて愛媛なんだろう?というフツーの疑問は未解決。

2025年6月9日月曜日

アップデート完了。

読みごたえありました。

“知ってるつもり(≒更新しない)”が最もヤバいと言う話。
映画・映像業界の“端”とは言え、キャリア(=えひめフィルム・コミッション)は23年になり、最古参のフィルムコミッショナーという紹介は、時に勘違いを起こさせるのでアップデート。

6月1日初版の「映画ビジネス(著:和田隆)」、5月17日初版の「ムービー・トラベラー・ガイド」を購入して、一気読み。

令和6年度は上映時間が1時間以上、製作総予算が1億円以上の劇場映画には2140万円/本、製作総予算が5000万円以上の劇場映画には1070万円/本、製作総予算が1500万円以上の劇場映画には535万円/本の助成金が支給され、1500万円以上の作品で「若手・新進映画作家(劇映画の本数3本以内)」ならば288万9000円が追加された。

助成制度は知っていたけど、若手・新進映画作家には追加助成があるのは知らなかった(調べればわかるんだけど)。26歳の西山将貴いけますな。

この手の本は今に始まったわけではなく、過去にもあるけど、フィルム・コミッションについては単に紹介で終わっていた過去。

今回はフィルム・コミッションなくして地域の協力は得られないなども読み取ることができて、フィルム・コミッションの役割は意義は益々重要になってる感。
その代わりに、海外のフィルム・コミッションとの性質は離れて変わっていくのは国の事情ということでしょうがないかな。

余談は私のメンターである桝井省志プロデューサー(愛媛県出身/アルタミラ・ピクチャーズ代表取締役社長)が29Pで紹介されていて嬉しかったり。

現在の日本映画、世界の状況を知るにはちょうど良い教科書のような内容で復習&アップデート完了。そして思う。

やはり「フィルム・コミッション視点からの映画などの撮影本」を書きたい!

2025年6月7日土曜日

進めフィルム・コミッション!


いつものようにFC携帯が鳴り、未登録番号(≒初めて)。
「はい、えひめフィルム・コミッションの泉谷です。」
「あっ、泉谷さん!〇〇です。」
「あれ、〇〇さん!どうしたんですか?番号が違うけど。」
「個人携帯からです。」
「そうなんですね、どうしたんですか?」
「先日いただいたメールの件ですが、速報としてお伝えしたくて」
「何事ですか!?」
「スケジュールが変わってしまいました!」
「えぇっー!」という会話。
私たちの事を気にかけてくれて、自身の電話で慌てながらも連絡してくれる方もいれば・・・。

「この作品、進めましょうよ!」「愛媛県さんとなら進められますよ!」「こちらで整えたら連絡しますので、今後のやりとりはSlackでグループ作りますから!」
と威勢よい営業トークは昨年。その後グループはできたものの音沙汰なく、気にしていたのは1ヶ月程度で、それ以降忘れていたら、いつの間にかslackのグループが消滅してた・・・。

突如、企画書をバッーーン!と送付してきて説明書きがあったものの、島、建物などではロケ候補地を提案できず「世界観、イメージ、規模、年代など教えてくれませんか?」と返信したら、それ以降連絡こず。

企画書って機密情報だから、バラまかないと思うのに“やりっぱなし”でいいのかな?
お会いしたことも、話したこともない我々をそんなに信用してくれるのか?なら嬉しい。

「松山出身の映画を学ぶ学生が面白かったですよ!」
「それは嬉しいですね!撮影予定があるのですか?」
「あります。今度繋ぎますから、よろしくお願いします!」

「スミマセン!〇〇の者ですが、〇〇には道路使用許可は必要ですか?」
「番組の企画概要書を、えひめFCに送付ください。その後の返信に併記しますので。」
「そうですか・・・。」と、そのまま電話を切って送付してこない番組担当者。

と、愛媛における撮影界隈は浮き沈みはあるものの前進中。
進め、フィルム・コミッション。

2025年6月5日木曜日

ロケ地マップ。


「募集されていた映画のエキストラは無事に集まりましたか?」とNHK松山のラジオスタジオで松下ディレクターと尋ねられる。
「おかげさまで定員に達して募集は終了しました。」
「私も応募しようかなと思ったんですが、仕事でした・・・。」と、松下Dをはじめ、多くの方々「作品名も分からない、出演者も分からない、エリエールゴルフ場という車でしか行きにくい場所」にも関わらず、興味関心をもってもらえたことに大感謝。

そんな前フリだった「ひめゴジ」収録。今回の話題は「ロケ地マップ」。
ロケ地マップは、私の記憶は正しければ日本独自に発展している映画などの副産物。
観光地図にロケ地が紹介されていることはあっても、ロケ地マップを空港や駅などで見たことがない。
日本ではフィルム・コミッションが撮影誘致支援の成果をロケ地マップに反映させたのかもしれない説。

そんなロケ地マップを、えひめフィルム・コミッションでは今年度、制作する。
「どんなロケ地が載る予定ですか?」
「愛媛県庁本館、萬翠荘、大山祇神社、愛南町外泊地区、しまなみ海道・・・」と、これまで撮影があった場所を紹介しつつ、「これからロケ地として提案、推していきたい候補地」として紹介したのは「佐田岬半島(日本一細長い半島。戦争遺跡、古くからの習わしなどもあり、映像コンテストも行われた魅力豊富な場所)」「西条の禎瑞地区(愛媛のベネチアです。と教えられた水郷。実際にベネチアに行ってから見直すと、意味がわかった)」。
この2カ所は特徴があるのにこれまで撮影されたことがなく、提案できたらなと。

ジャパンFCでは全国ロケ地マップフェアを毎年開催していて、数年前から「ツーリズムEXPOジャパン」との共催になり、多くの人がロケ地マップに興味関心を持ってくださり、気になる作品、気になる地域のロケ地マップを持ち帰っていただいている。

「ロケ地マップ、深いですね〜。知りませんでした。」と驚いてくれた岸本さん。
デジタル全盛期だけど紙だからの価値もあるロケ地マップ。

2025年5月21日水曜日

過渡期、エポックメイキングに立ち会う。


メンターでもある桝井プロデューサーらと話していると、過去から現在、そして未来を見通されていて、私もその端っこから映画・映像界を垣間見て、まさに過渡期、エポックメイキングな時代にいるんだ・・・と、気付かされた件。

「映画(作品)を撮る時、フィルム(アナログ)とデジタルのどっちがいいですか?」という質問に「我々は“映画”と言えばフィルムで学び、長年扱ってきましたからフィルムなんですよ。だから良い悪いはなく映画=フィルムなんですよ。」「ただ、日本のデジタル化の流れは止められない、フィルムの現像所がなくなればフィルムは終わりです。アメリカには選択肢がありますが、日本にはありません。」

「横型と縦型の作品はどっちがいいでしょうか?」には「作品によりますね。まだ目新しいので注目されていますが、作品がたくさん出ることで評価も出るでしょうね。」

「愛媛の魅力は他の所と何が違いますか?」には私が答え、県内各地の自然、産業、文化などを紹介すると「西条まつり」「大洲城キャッスルステイ」「太刀魚巻き」「じゃこ天」が響き、そこに桝井プロデューサーが自身の出身地である久万高原町情報を重ねて魅力のミルフィーユ化(笑)。

そんな質問が出た帰り道、今度は私に「地方と都会はどっちがいいですか?」と質問があり、「愛媛ファンです。」と公言してから「でも、東京にもいい所はあるから一概にどっちがどっちとは言えないです。」となる。

でも、フィルムとデジタルの話と同じで、地方の人口が減り続け、経済が回らなくなったら地方は終わってしまう。

そして「日本の映画・映像制作環境と海外の制作環境はどうでしょう?」には、「日本の制作環境は過渡期で、先行している国や制度に追いつけ!追い越せ!という感じでしょうか」と持論を伝える。

そんな数多くの問いを投げかけてくれて気づかせてくれたのは、とても優秀で日本に可能性を感じている中国出身の映画映像制作関係者。

2025年4月19日土曜日

色々な宣伝手段。


「泉谷さん。来てくださり、提案してくださるのは嬉しいが、お金も一緒に持ってきてくれないと。」
とアドバイスをいただいたのは20年以上前。

当時は「えひめフィルム・コミッション」が設置された日も浅く、取り組みは(前例も教科書もなかったので)手探り状態。
その中で自分なりに考えた誘致策の一つに「直接営業」があり、東宝や松竹、アルタミラピクチャーズなどの映画制作会社へアポイントを取っては赴き、「愛媛県で撮影をお願いします!」と、プロデューサーたちにお願いした日々。

その中で東北新社へも赴き、誰に会ったか覚えてないけど愛媛県のパンフレットや映画化の素材アイデアなどを持ち込んだから、冒頭のアドバイスをいただく。

言われてみればその通りで、フィルム・コミッションは制作に対して費用を拠出しない(=0円)なのに、「来県して映画を作ってほしい!=数千万円の直接経費を愛媛で消費してほしい」となるわけだから、調子がいい&虫が良すぎる・・・と思われてもしょうがないと。

そんな思い出のあった東北新社に20年以上ぶりに訪れる。
そして「どうぞ」と出されたペットボトルが「宇宙戦艦ヤマト」デザインだった件。
「えっ!?どうしてヤマトなんですか?」
「知らなかったです。そう言えば、Amazon Primeでヤマト作品がズラッ〜と並んで不思議だなぁと思っていました。」
と、言うことで新作が公開されるのね。

宣伝って色々な手段があるな・・・という話。
テレビがないから届かないし、ネット広告でも見た記憶はないけど、こうしてブツを目の前にするとストレートに興味が沸いた件。

2025年4月18日金曜日

県内外、組織内外で営業活動。


令和7年度に入り、人事異動で刷新された愛媛県東京事務所へ意見交換に出かける。
前回、事務所を訪れたのはコロナ前だったので数年ぶり。

昨年度まで、東京事務所長らにはお世話になり「ジャパンFCのロケ地フェア」に参戦していだいたり、「笑うマトリョーシカ」の東京での撮影現場へお連れしたり、「劇場版トリリオンゲーム」のプロモーションに協力していただいたり。

愛媛県東京事務所にフィルム・コミッション機能はないけど、映画制作会社の90%は東京圏にあると言われているので、問い合わせや相談などが来るかもしれない。
そんな時に撮影について詳細を答えられなくても「えひめフィルム・コミッション」へ繋いでいただけるよう顔の見える関係の構築。

フィルム・コミッションについて初めて聞く担当者たちへ(特にFC担当者でもない)、「劇場版トリリオンゲーム」「離婚しようよ」「笑うマトリョーシカ」「がんばっていきまっしょい(アニメ版)」「バスカヴィル家の犬」など最近の作品を例に紹介すると、映画&映像作品が観光誘客・産業振興におよぼす影響を分かっていただき「面白いですね!ぜひ、積極的に行きましょう!」と共感いただく。

たちまち、今後について紹介すると、一人の担当者が「〇〇〇ですね!」「〇〇〇はいいですよね!」「分かります!」と相槌を打ってくださり「もしかして、〇〇〇好きですか?」と尋ねると、照れながら「えぇ、好きです。」となり、隣の上長は「〇〇〇に詳しい人がいるとは心強い!」と、FCの応援団を見つけた!

撮影の誘致・支援で評価された時代は終わり、インセンティブ制度による誘致加速、撮影後の作品プロモーション、そして地域への誘客促進・・・と、多面的に期待を寄せられるFCだから協力者も多面的に得ないとならず今日も営業活動。

2025年4月17日木曜日

あの駅に願いをこめて。


松山のアパートを出発して東京宅まで200分超だったのは、まずは飛行機の出発遅延(前便到着遅れ)&羽田空港混雑で上空待機もあり100分超えのフライト。

その遅延の影響でモノレールかな?京急かな?と悩むも到着時間が京急の方が早いと路線アプリの助言で京急に乗ったら、走行途中に「緊急停止します!」のアナウンス。
急行だったから手すりに捕まらないと姿勢を崩す勢いで停止。

「前方の踏切で緊急停止信号が確認されたので、安全確認をとります。」に車内はざわつく。
外国人も多く乗っていたので、「What's Going on?」と不安そうな顔。
こういう時って日本語でしかアナウンスされないと知る。
2-3分後「発車する見込みです。」に安堵。大きな荷物を持っていた外国人たちは唖然な表情。

3本目の電車へ乗り継ぐために連絡通路を歩いていたら、本屋さんがあり、眺めながら歩いていたら「あの駅に願いをこめて_南大沢編」が置いてあったので(あっ!)となり立ち止まる。

以前から気になっていた京王電鉄が仕掛けた「小説×街歩き」の読み切り小説。累計8万部。
第一話が「吉祥寺」で、(やられた感=伊予鉄道、JR四国でもできるはず・・・)唸った企画。

その第二話が「南大沢」で、実は最寄駅は南大沢駅。
気になっていた理由は(そのうち、映像化されるだろう)と思っているから。
連ドラ「Silent」で話題になったのは小田急電鉄の世田谷代田駅。

その二番煎じだけど、京王線ユーザーとしては物語が身近に感じて映像が目に浮かぶ。
そして、これが松山市駅、下灘駅だったら・・・と思うと、面白くなるにきまってる!

36ページなので早速読み始めたら、あっという間に南大沢駅に着いていた!慌てて下車してセーフだったものの、良い子は真似してはいけません。でした。反省。
でも、いい内容だった。非売品。

2025年4月14日月曜日

12年ぶり。


撮影支援をした「劇場版トリリオンゲーム」の興行収入が、2月14日の公開から20億円に達する見込み。この調子が続けば最終興行収入は25億円辺りと予測される。

えひめフィルム・コミッションにとっては「真夏の方程式(2013)」以来、12年ぶりのヒット映画(=ヒットとは、日本映画製作者連盟の映画産業統計に残る劇場公開されて10億円以上の興行収入を記録した作品)。
ちなみに
「真夏の方程式」は33.1億円の大ヒット!高浜駅、高浜港周辺で撮影した。伊予鉄道さんにとても協力していただいた思い出。

12年間の間にもバスカヴィル家の犬、離婚しようよ、笑うマトリョーシカ、がんばっていきまっしょい(アニメ版)などの作品があったけれど、10億円未満だったり、テレビ作品、配信作品だったり・・・と、“モノサシ”に合わなかった作品が多かった。

そんなヒット作品は1年間に劇場公開される全作品のわずか5%しかなく、かつヒットするかは誰にも分からず(最近では誰も知らなかった「侍タイムスリッパー」のヒットが記憶に新しい)、“運”も多分にあると思ってる。

でも、運に任せて恵まれるなんて気の遠い話。
ましてや残り95%の作品を支援しているフィルム・コミッションの方が多く、また、それらの作品のPR予算は限られている。

常々「作戦が必要!」と言っているのは、5%の作品はテレビやネット、誌面などで大々的に宣伝できるのに対して、PR予算が限られる作品には「金がないなら知恵を絞れ!」という感じ。

ロケ地マップ、ロケ地ツアー、先行試写会、イベントはテッパンになってきたけど、他にもFCが関係者にインタビューしたり、広報誌に掲載したり、地元雑誌に取材してもらったり、ロケ弁を紹介したり(笑)・・・色々なアイデアをプロデューサーに尋ねたらいい。

そのうち1つ
だけでもできたら、そこかで2つめを“こじ開ける”こともできるかも!?
がんばれフィルム・コミッション!

2025年4月12日土曜日

地域おこし協力隊×フィルムコミッション


メモメモ。
総務省によると、
2024年度の地域おこし協力隊数が、前年度比710人増の7910人だったと発表。

受入れ自治体も12カ所増えて1176団体となり、こちらも最多数となった。

政府は26年度までに隊員数を1万人へ引き上げる目標を打ち出している。

隊員数は20~30代が60%以上を占め、40代が20%、50代が10%だった。男女比は男性60%、女性40%。協力隊が最も多い都道府県は北海道で1307人。

19~23年度に任期を終えた隊員8034人の定住状況を調査した結果、約70%の5539人が活動地域に住んでいたことも分かった。 

今では認知度も高まり、地域での職種も増えてきた。

そして4年前から「地域おこし協力隊とフィルム・コミッションは相性がいい」とも言ってきた。
すると現在(募集は4/22まで)、「栃木県佐野市でフィルムコミッション事業を担当する地域おこし協力隊を募集」してるではないか!


<業務内容>

(1)フィルム制作会社等との下見及び打ち合わせ、ロケ現場の立ち合い及び記録写真撮影

(2)ロケ素材の収集、登録及び更新に関する業務

(3)エキストラ募集の支援業務

(4)外部関係機関との連絡調整に関する業務

(5)フィルムコミッション専用ホームページの維持管理及び更新

(6)ロケ地マップなどの作成

(7)その他フィルムコミッション事業運営に関する業務

いやぁ、スゴい!
50代の地域おこし協力隊は10%とのことだけど、もしも、愛媛県でフィルム・コミッションに携われなくなったら、他地域でもできることを知った!

2025年4月7日月曜日

2024年度は27件。


うーん、3月末に立て続けに2本の撮影を逃してしまった。
一つはミュージックビデオ。愛媛でファンタジーな場所を求めていたけど、ファンタジーというフワッ!としたイメージを突き詰められなかったのが敗因か?力不足!

もう一つはイベント兼撮影で、色々な場所の提案を受けたけれど、どこも実施は難しい所=撮影としては面白い所とは思えたけど、結局「撮影は難しい」と数回伝えたら他へ行ってしまった。
押し通せば良かったのか?だけど、こういった撮影は地域に話題も負担もかけて、最後は負担の方が大きくなる傾向があるから、ご縁がなかったと思う。

そういえば「ストリート系店舗のPRビデオを撮影したいです。どうしたらいいですか?」「公道撮影なら道路使用許可、道路占有許可が必要になるかもです。資料を拝見させてください。」「ないです!ガチャ!」と名前も名乗らず要点だけ尋ねられて切られてしまった先日。

最近はスマホでも十分な画質で撮影できるし、Youtubeで撮影方法も学べるから可能性は広がったけど、同時に困った案件も増えている感じ。10年前にはなかった。

凸凹色々な撮影相談に対応した一年間。
結局、昨年度は27件の撮影実績だったけど、撮影までつながらず相談案件も含めれば50件程度だったし、撮影したことを報告しない撮影隊もいるので実際は30件/年ほどか。
ちなみに2023年度は37本だった。

2024年はなんと言っても「笑うマトリョーシカ」「がんばっていきまっしょい(アニメ版)」「トリリオンゲーム」が話題で、本数だけをみると昨年よりも見劣りするけど1本のボリュームがすごかった。

2025年は既に撮影が決まっている作品があったり、公開を控える作品があったりバタバタな予感しかない!

2025年4月6日日曜日

お粗末にもほどがある。


東京商工リサーチによると、テレビなどの映像・動画制作会社の倒産が急増しているとのこと。
2024年度に負債1,000万円以上で倒産した映像・動画制作会社は58件(前年度の1.5倍)。
過去10年で最も多く、50件を超えたのは15年ぶり。

背景にはネットメディアの台頭で、テレビの存在感が薄まり、広告出稿に依存していた収益構造が
営業不振に陥り、制作予算が縮小と推察。

倒産58件の内訳は、映画・ビデオ制作が34件。次いでテレビ番組制作17件、アニメーション制作6件と続く。

そこへフジテレビ(だけの話じゃないけど)性加害事件が大炎上。おぞましい。
フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」の国内取引先は、テレビ番組制作業は391社、映画・ビデオ制作業は181社、アニメーション制作業は90社。
計662社以外にも子会社、孫請会社などの下請け企業も多いだろうから、いづれ“関連倒産”という報道も時間の問題か・・・。

「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話だけど、直接関係ないのに倒産に追い込まれたら恨むよな。

そして、岐阜県関市を舞台にした“ご当地映画「名もない池」”のトラブル続報が笑ってしまうほどお粗末。

交付した2000万円の補助金全額を4月15日までに返還を求める関市に対して、映画企画会社の代理人弁護士「(2000万円を返還したら)興行自体が破滅的になります。」とコメント。
そもそも、補助金を先に全額渡してしまう関市の甘さにも一抹の責任を感じるけど・・・。

ChatGPTで脚本を書いたと言われていて革新的!国際映画祭で、AIに可能性を感じた一人だけど、画期的=品質保証ではないからな・・・。

淡路島で上映だけかと思いきや、シネマルナティックでも上映してた!怖いモノみたさで・・・。

2025年4月1日火曜日

5%が72%を占めてる。


調べ直したいコトがあって、資料を整理すると、その過程で驚くことがあるのはしばしば。

「世界の超絶大富豪8人がもつ総資産は約4260億円(約48兆6000億円)2025/1/16」と言われていて、「この資産額は世界の人口のうち、低所得層の約50%(36億7000万人)の総資産額と同じ」とのこと。
どんな世の中になってんの?という感じだけど、自分の身の回りで起きていないからピンと来ない。

話を戻して、映画、邦画の話。
2015年から2024年までの10年間、劇場公開された映画は平均607本/年。毎日1.6本の新作が公開された計算。
そのうち、「ヒット作」と言えるのは、日本映画製作者連盟が「日本映画産業統計」として記録している興行収入10億円以上の作品のこと。

そのヒット作は、10年間で毎年平均33本という計算。と、いうと33本÷607本=0.054・・・なので、劇場公開作品の中でわずか5%しかヒット作が誕生してないのが現在の邦画界。

作品がヒットする、ヒットしないは誰にも分からないのが映画の世界。
誰が1館から上映が始まった「侍タイムスリッパー」の興収10億円以上を予測できたか?ちなみに制作費は2600万円と言われているから、スゴい利益。

話を戻して。その“5%’(33本)”の興行収入は劇場興収の約72%を占めていて、残り574本で28%の劇場興収だから、その額6,5723,570円/本平均。

計算上ではそうなんだけど、10億円未満の作品も、いきなり6572万円になるわけではなく、準ヒット的に9億円、8億円、7億円・・・と続くわけだから、実際は6572万円よりもずっと低いと思われ、すると、そういった作品の方が多く、その金額に合わせたPR方法もあるわけで、皆んなに伝えないとならず。

2025年3月29日土曜日

働け!妄想力!


撮影ではよく「Aという撮影対象をBに見せる。」という演出テクニックが用いられ、視聴者&鑑賞者は「知らぬまま」楽しむことができる「知って」楽しむことができるのが醍醐味。

「半沢直樹」の東京中央銀行本店のロケ地は、日本橋にある三井本館のほか、東京中央銀行本店の正面玄関入り口は東京国立博物館なのは有名な話(ロケ地)。

愛媛県庁本館もこれまで、国会議事堂内(離婚しようよ)、病院内(世界の中心で、愛をさけぶ)などで撮影された。

〜のように見えればいいから、オリジナルと同じでなくてもよく、とある店を選挙事務所に見立てたことも、とある建物を医院に見立てたことも、とある部屋を警察署内に見立てたことも、ある時は堀之内公園内を路線バスの運行路に見立てて走らせたことも。

でも、なかなか難しいのが裁判所や刑務所/留置場、病院など。
セットを組めればいい話だけど、予算やスケジュールなどの都合で組めない場合はロケ撮影になる。

だから「裁判所に見える建物」「刑務所、留置場に見える場所」「病室/手術室に見える部屋」を探さないといけない。
ちなみに警察署はそのまま警察署で撮影させていただくことが多い。
そして、病院設定として「愛媛県立医療技術大学」がある。

撮影候補として挙がるのは庁舎や公民館、〇〇会館など築年数が古く、昔ながらの建物。
でも最近は、そんな建物も建て替えなどで少なくなった気がする。

写真は市民会館。だけど、駅舎のように見えて仕方なく、どうにか使ってもらおうとPRしてるけど、なかなかご縁がない。働け!妄想力!

2025年3月23日日曜日

松山城天守閣でタイムリープ時代劇は?


京都メディア支援センター、大阪フィルムカウンシル、鳥取県フィルム・コミッション、滋賀フィルムコミッション、亀岡フィルムコミッションが協力した「侍タイムスリッパー」をAmazonで鑑賞。

今年の日本アカデミー賞でも「キングダム」「正体」などの作品を抑えて「最優秀賞作品」を受賞するなど、1館からの上映が300館以上まで広がった作品。

「劇中劇作品(映画の中で映画を撮る&創る作品)にハズレなし」と常々言っているけど、今回もハズレなし。
時代劇は手間がかかるから敬遠気味なのに、独立系の低予算作品ながら細部まで面白かった。
撮影所にタイムスリップというアイデアは本当に良かった!

最後の決闘シーンは、また雨が降り出して、雷鳴と共に刃が交わった瞬間に落雷で二人が元の時代にタイムスリップするかと思ったのは浅はかな想像で反省。
キチンと落としてくれて良かったし、何よりも映画愛&時代劇愛を感じた。

ちなみに時代劇作品は少なくなったと言われるけど、現代に合う形(例:十一人の賊軍、燃えよ剣、武士の一分、殿利息でござる、引っ越し大名など)で毎年、何本か映画化されている。

愛媛県で本格的な時代劇の撮影は難しいな・・・。
でも、400年前から残る松山城天守閣内でのタイムリープ的(=何かの拍子に時がグルグルと繰り返してしまう)な時代劇だったら全てが本物だからできるかもしれない(笑)
松山市や文化庁が撮影OKを出さないか・・・。

劇中で所長が「一生懸命に頑張っていれば誰かがどこかで見ていてくれる。」というセリフがあるけど、あの言葉は、脚本&監督&編集を一人で行った監督の想いだったんだろうな。

でも、優子さんのような素敵で優しい助監督っているのかな?

2025年3月16日日曜日

ダメに不思議なダメなし。


「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」
と言ったのはプロ野球元監督の野村克也氏。

この教訓は色々な場面に的確で「成功には偶然の要素も重なり、その理由は本人にもわからないことが多い。その反面、失敗にはやってはいけない事を必ずやっているから失敗する。」とも読める。

米国アカデミー賞の前日に「ゴールデンラズベリー(ラジー)賞(毎年アカデミー賞が発表された。その年のダメダメ映画賞の発表)」に興味があり、今年で45回目。

今年の最低映画賞は「マダム・ウェブ」が受賞し、最低主演女優賞(ダコタ・ジョンソン)、最低脚本賞も獲得し、3冠を達成(全然嬉しくないはず)。
どうでもいいことだけど、マーベル作品だけどソニー作品というややこしさ。

ニューヨーク映画に駄作ナシ!と思っているので、確かめようと観たのだけど「ダメに不思議なダメなし。」だった。
全編にわたって主人公達にとってご都合主義の展開だった。映画化の必要性あった?
  • キャシー(主人公)!NYタクシーを盗み翌日に自宅に戻ったら見つかっちゃうでしょ!
  • 若い女の子が帰宅しなくても保護者から通報がない理由は、取ってつけた感があった。
  • 数日間の物語と思うけど、もしかしてキャシーも女の子達も誰も着替えてないの?
  • 悪役蜘蛛男はピョンピョン飛び回れるのに死ぬ時だけ、どうして落下を防げなかったの?
  • 最後は「マダム・ウェブ」じゃなくてX-MANの「プロフェッサー・ウェブ」のようで笑ったのは私だけじゃないはず!
でも、ダコタ・ジョンソンは嫌いじゃないし、NY映画も嫌いになれない。
口直しに評価がとても高いダコタ・ジョンソン&ショーンペンのNY映画「ドライブ・イン・マンハッタン」でも見にいくか!
あれ!でも、松山では・・・。

2025年3月15日土曜日

妄想&想像&構想。


もう、これらのチョコレートはない。
でも、こう言うことだと思う。これまで何度も妄想&想像&構想したけど実現に至ってない一つのアイデアが「愛媛(地域)を模ったお土産開発」。

それも私の場合はフィルム・コミッションなので「ロケ地」とか「地域資源」をモチーフに開発できないか?を10年以上温めているけれど妄想&想像&構想の域を出ていない。
ちなみに「ご当地モナカ」もその一つ。

魚(鯛?)、桜、栗、富士山プリント、ミカンなどを模ったチョコレートの中には、味に変化を出しているものあれば、ゼリーや求肥が入っているものあり面白かった!

愛媛を模るなら「ミカン、ミカンの花(県花)、鯛(県魚)、カワウソ(県獣)、島、松山城、道後温泉、路面電車、駅など」かな?
富士山のチョコは表面にプリントしてあり、“この手”のチョコも結婚式などで多くなった。

でも、模ったチョコは諸々の費用が必要で原価が高なる。だから、写真のように一つ一つ違う形ではなく、四角型で包み紙に「ロケ地など」の地域情報を印刷するのもアリ。
“その手”のチョコレート土産は北海道などでよく見かけるけど、観光地など美しい所の紹介であって、ロケ地はない(と思う)。

大きめの板チョコ(味はミカン味とか)の包装紙にロケ地情報などを記した土産もアリと思うし、食べた後に手元に残るよう、ロケ地情報などがプリントされた缶に入ったチョコ(この場合はフツーのチョコ)でもいいかも。

いっそのこと、板チョコなら正岡子規の横顔とか「坊っちゃん」に登場するメンバーを模ったチョコとか加藤嘉明を模った歴史系チョコもいいかも。

あっ、みきゃん、ダークみきゃん、こみきゃんを模ったチョコレートはあるのかしら?
確実に売れますな、作ろうかな?と、また妄想癖がモクモクと。

2025年3月14日金曜日

オーバーツーリズムとは違う話。


(フィルターなどを使っていても)素敵な映像と思いました。それは、そもそもの資源が魅力的だったのだけれども・・・。

これまで善意や親切心などで許容されてきたコトが、許容できなくなっていると愛媛県内でも報告されるようになる。

と、言うのも(おっ!愛媛だね?いいね)と流れてきた映像には、許可が曖昧な私有地が写っていたり、お参りもせずに写真だけを撮って帰ったり、公開されていないロケ地が紹介されたりして・・・。

撮影自体は全く問題ないけど、写真を撮る場所には十分な配慮が必要な話。
想像して欲しい。知らない人が自分の敷地に無断で勝手に入ってきて(道に迷ったのかな?)と思ったら、写真を撮ってササッ!と逃げるように去っていく。

キャーキャー言いながら写真を撮る本人達は楽しそうだけど、そこは以前から神聖な場所。
お参りも敬意もない振る舞い。イベント会場ではない。注意書きを置いても効果は全くナシ。

訪れる人が多すぎて地域が困る「オーバーツーリズム」とは違う困り話。
「マナー」なのか?「モラル」なのか?「ルール」なのか?自分だけが訪れるわけではなく、その次にも、その次にも魅力のバトンタッチで繋いでいるような感じなので、マナーやモラル、ルールを破り、バトンを落としてしまってはいけないと思うんだけどな。

キレイな映像はさぞ自己満足と思うけど、大抵、そのような人たちは一回しか訪れない。
「あんたたちも同じだろ?撮影は遠慮して欲しいんだよ!困ってる!」と、ロケ候補地が一つ無くなることが、どれだけ愛媛へのロケ誘致に影響するか?
フィルム・コミッションだけが抱える問題なのかと?