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2025年9月30日火曜日

アートは常に問う。

サンデル・クースのAI拡張作品

何時間も作品と向き合っていると、(アート/芸術って何だろう?)と色々考えてしまう。
その発端になったのは、「サンデル・クース(1997年オランダ生まれ。ロッテルダムを拠点に活動する写真家。)」という作家の作品。

サンデル・クースの祖父が第二次世界大戦中にインドネシアで生まれたことを知ったものの、曖昧なまま語られなかった祖父の思い出に直面し、1940年-1990年の家族アルバムを元にAIで自らの家族史を拡張させる試みを開始する・・・。

なんだかSF映画のようだけど、強く共感したのは祖父母の生き様は断片的で曖昧にしか知らないことに悶々としていたから。

「父方の曽祖父は日本で最初にバントをした野球選手」「母方の祖母は島津家の家系で、時が時ならば・・・」など、口伝いに教えてもらったことは印象的なことが抜粋されて、職業も生活様式も知らない。だから興味がわきにくい。

知らなくても困らないけど、祖父母がいたからこそ、我が子まで脈々と生を受けてるわけで、サンデル・クースのようにAIで家族史を拡張できれば、意識ももっと変わるかなと。

でも、これはアート/芸術何だろうか?とも思ったり(個人の意見です。)
と、言うのも「森村泰昌」「澤田知子」のポートレート作品(懐かしい!)も展示してあり、好きなアーティストでもあるから「THE アート」と認知できるのだけど、AIを活用した作品も(自分を表現するという点では同じだから)新進気鋭のアートと認知される時代がくるのかな?

もう一つ。
アーティストは自分の表現技法を確立することで「他のアーティスト/作品との差別化」がアイデンティティ(自己同一性)になるから、単にAIの活用ではなく、どうAIを活用するか?が新しい作家性の鍵かもしれないと。

NY時代に課題の制作にジャクソン・ポロックのドリッピングを真似て提出したら、こっぴどく怒られたのを思い出す。

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