2024年11月10日日曜日

セーマンドーマン。


どこかで見たマークと思ったら「帝都大戦」で、嶋田久作演じる加藤保憲が付けていた白い手袋に描いてあったらしいし、「呪術廻戦」でも一級呪霊に貼られた呪札に描かれていたらしい。

そんな場面に登場する「セーマンドーマン(ドーマンセーマン)」とは、三重県志摩地方(現・鳥羽市と志摩市)の海女が身につける魔除けとのこと。
起源は陰陽師と言われ、名称は安倍晴明、蘆屋道満が由来とも言われている。

手拭いや襦袢などに星型の「セーマン」、格子状の「ドーマン」を貝紫で描く、もしくは黒糸で縫い、海での安全を祈願する役目とのこと。
星型は一筆書きで元に戻ることから「無事に帰ってこられるように」、格子は多くの目で「見張る」という言い伝え。

「急々如律令(キュウキュウニョリツリョウ)」とは、中国漢代の公文書末尾に、急々に律令のごとくに行え、の意味(≒即刻行え)で書き添えた語。
後に呪文の終わりに添える悪魔ばらいの語として、陰陽師などが用いたとのこと。

そもそも海女達は海の中で何に恐れていると言うと、トモカヅキ、山椒ビラシ(身体をチクチクとさす生物とされる)、ボーシン(船幽霊)、引モーレン(海の亡者霊)などで、現在になっては以前ほどの信仰はないもののシンボルになっていると、くれた伊勢志摩フィルム・コミッション。

このお守り、裏には同じく魔除けとして、七難即滅七福即生「蘇民将来(そみんしょうらい)」と豪快に描かれていて、何のこと?と思ったら「経を読んだり神仏を信仰した功徳によって、七つの災難がすぐに消えて七つの福が生まれ変わりますよ。」という内容。

なんだか想像以上に物語があるお守りだった件。

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